会場となる埋立地の上には、祈りを届けるための媒介としてたくさんの「火」が灯されます。ここでは場内に灯される火のそれぞれにどのような想いが込められているかご紹介します。
菜の花あかり
ご参列の方にお供えいただく「祈りの火」には、「菜の花あかり」と呼ばれるろうそくが使われています。
「菜の花あかり」は、水俣の地域づくり組織である「寄ろ会みなまた」が休耕田を利用して育てた菜種の油を学校給食で使用し、その廃食油を再利用した手作りろうそくのことです。
ろうそくづくりは、寄ろ会みなまたの皆さんのご協力のもと、市内の小学生と一緒に心を込めてつくっています。
4つの祈りの火
水俣の各地で灯された「里の火」、「海の火」、「山の火」、「患者遺族の火」の4つの祈りの火が埋立地へと運ばれます。4つの火が松明へ移され、かがり火へと点火されます。
「里の火」
JNC工場、商店街、市役所など、水俣の中心部に暮らす人々の想いが込められています。
「海の火」
水俣湾や不知火海で、海と魚、水俣病と深くかかわってきた海辺で暮らす人々の想いが託されています。
「山の火」
水と緑に育まれた山間地で暮らす人々の想いが込められています。
「患者遺族の火」
60年以上も続く、水俣病の被害者と遺族の方々の想いが託されています。
もやいの火
かがり火に点火された4つの祈りの火は、大松明へと運ばれ、4つの火がひとつになり「もやいの火」をつくります。水俣病で分断された地域の関係をつくり直す「もやい直し」の願いを込めています。
道行き・もやいホタル・うみホタル
参列者の足元を照らす「道行き」、もやいを表現した「もやいホタル」、海の生き物たちを表現した「うみホタル」が場内を照らします。